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会長挨拶

第18回日本CT検診学会学術集会会長 西井 研治

第18回日本CT検診学会学術集会会長
岡山県健康づくり財団附属病院
院長 西井 研治

わが国の全死亡の3分の1はがんが占め(2008年342,963例)、部位別には肺がんが1位で、肺癌対策は緊急の課題です。われわれが取り組んでいる低線量胸部CT検診は、胸部X-Pによる検診に比べ、高い肺癌発見率が得られることが明らかになり、多くの施設で実施され、良好な成績が得られています。今回の岡山での学術集会では、「CT検診の将来性」と題して、一歩踏み込んだ死亡率減少効果の科学的証拠に関するシンポジウムを企画しています。また、肺がんとともに喫煙者の呼吸器疾患の重点課題になっている閉塞性肺疾患(COPD)についてもシンポジウムを企画しています。CT検診は症状を自覚していない肺気腫の早期発見も得意としており、検診受診者のなかのCOPD予備群の抽出と、禁煙指導を中心とした進行防止介入に役立つものだと考えています。それに関連する演題の発表もお願いします。

CT検診では呼吸器以外の疾患も多数発見され、学術集会でも毎年報告されていますが、今回もいっそうの発展を期待しています。

特別講演1として宮城県対がん協会会長の久道茂先生に「がん検診判断学」と題してお話し頂きます。特別講演2としてはわが国のがん対策推進協議会の議長も務めておられます、国立がんセンター名誉総長の垣添忠正先生に「わが国のがん対策 個人として、地域として、国として」と題してお話し頂きます。

本学術集会は最新研究の発表機会であることはもちろんですが、CT検診の普及や標準化を推進する役割も担っています。検診開始間もない施設の方も、自施設の成績発表や直面している問題点を発表いただくことで、全国の多くの施設にとって有益な情報を提供いただけるものと考えますので、ぜひご報告をお願いします。今年は会員の皆様からご要望をいただいて、ポスターも発表形式として選択できる学術集会としましたので、多くの方のご発表をお待ちしています。


会長略歴

昭和56年岡山大学医学部卒業。岡山大学第二内科(現血液・腫瘍・呼吸器・アレルギー内科)入局。平成14年岡山県健康づくり財団附属病院院長、岡山大学医学部非常勤講師就任。現在に至る。
日本呼吸器内視鏡学会気管支内視鏡専門医・指導医、日本呼吸器学会専門医・指導医
日本CT検診学会理事、日本CT検診認定機構理事、日本呼吸器学会評議員、日本肺癌学会評議員、呼吸器内視鏡学会評議員、結核病学会評議員
厚生科学研究中山班(CT検診の効果研究)班員